2021年10月に発表されたHEADの最新モデル『PRESTIGE(プレステージ)』について情報をまとめてみました。
プレステージといえば、イバニセビッチやサフィン、最近だとカラツェフといった名だたるハードヒッターが愛用してきたロングセラーモデルです。
スキー板を原点とするHEADが初代プレステージを発売したのは1986年ですので、今作が発売から35周年を迎えたミレニアムモデルになります。
今作のコンセプトは『完璧な精度』ということですが、新たなテクノロジーを搭載し操作性が向上していそうな様子です。
注意点としては、ラインナップに変更があり名称とスペックが間違えやすくなっているので、前作からお使いの方は確実にチェックしておきましょう。
どんなラケットになっているのか、早速詳しく紹介していきます。
PRESTIGE 2022年モデルのデザイン
前作の明るいレッドを基調としたデザインから、マッドブラックを軸にしたデザインに刷新されています。プレステージの特徴でもあるワインレッドもさりげなくあしらわれ、高級感のあるデザインになっていますね。
ラケットバッグからこのラケットがでてきたらビビってしまいそうですね。
PRESTIGE 2022年モデルの特徴
今作に搭載されている主なテクノロジーを紹介します。
- AUXETIC(オーセチック)【New】
- グラフィンインサイド
- フルキャップ 他
AUXETIC(オーセチック)
今作では新たに『オーセチック』というテクノロジーが搭載されています。
オーセチックとは、素材ではなく“構造”のことを意味します。この構造はナイキのシューズなどにも搭載されている注目の技術です。
オーセチック構造にすると、上記の画像のように素材を横に引っ張ると縦にも伸び、逆に横から圧縮すると縦方向にも圧縮されるような特別な構造のことです。
このオーセチック構造を、ラケットのヨーク部(フェイスの6時部分)に搭載することで、インパクトの衝撃を緩和しマイルドな打感を味わうことができるようです。
GRAPHENE INSIDE(グラフィンインサイド)
HEADの様々なモデルで搭載されてきた『グラフィン』ですが、今回のプレステージから『もちろんグラフィン入っています』と、定番のテクノロジーとして扱う姿勢を見せています。
そもそもグラフィンとは、ダイヤモンドよりも強く、世界で最も軽い素材であり、この素材をラケットに応用することでよりパワフルなショットを放つことができるというものです。
HEAD独自の技術で、ラケットだけでなくスキー板にも搭載されています。
FULL CAP(フルキャップ)
通常フェイス上部のみを覆うことが多いグロメットを、ラケットフェイス全体をカバーするように配置したテクノロジーです。プレステージでは代々受け継がれているテクノロジーです。
グロメットがカバーする領域が広いことで、インパクトの衝撃を緩和する働きがあります。
世界でもっともハードな素材のグラフィンを搭載しているため、既存のテクノロジーだけでは硬い打感が操作を難しくしていましたが、新たにオーセチックを組み込むことで硬い打感をマイルドにする工夫をしているのかもしれませんね。
スペックとラインナップ
ラインナップは下図右の4モデルが発売されますが、前作からスペックと名称が入れ替わったりしているため要注意です。
下記で詳しく解説します。
- PRESTIGE PRO(最も競技系モデル)
- PRESTIGE TUOR(かなりハードなモデル)
- PRESTIGE MP(バランスのよいモデル)
- PRESTIGE MP L(最も扱いやすいモデル)
スペックと名称の組み合わせが変更された
前作 | 今作 |
---|---|
MP | PRO |
PRO | TOUR |
TOUR | MP |
S | L |
MID | 廃止 |
上記のように名称が前作から入れ替わり、93inch²の最もハードだったモデルが廃止となりました。
そのため、前作でMPを使っていたプレーヤーが今作もモデル名だけで選んでしまうと、「感覚がぜんぜん違う…。」となってしまいかねません…。
今後HEADのモデルは、PRO⇒TOUR⇒MP⇒…という名称に変更されていくそうです。
先日情報公開された『BOOM』も同じ並びでした。
PRESTIGE PRO | PRESTIGE TOUR | PRESTIGE MP | PRESTIGE MP L | |
---|---|---|---|---|
CPI | 200 | 300 | 400 | 500 |
ヘッドサイズ | 98inch² | 95inch² | 99inch² | 99inch² |
平均ウェイト | 320g | 315g | 310g | 300g |
バランスポイント | 310㎜ | 315㎜ | 320㎜ | 315㎜ |
長さ | 27inch² | 27inch² | 27inch² | 27inch² |
フレーム厚 | 20㎜ | 22㎜ | 21.5㎜ | 21.5㎜ |
スイングウェイト | ※ | ※ | ※ | ※ |
グリップサイズ | 1,2,3,4,5 | 1,2,3,4,5 | 1,2,3,4,5 | 1,2,3,4,5 |
ストリングパターン | 18×20 | 16×19 | 18×19 | 16×19 |
推奨テンション | ※ | ※ | ※ | ※ |
ここから、各モデルごとに特徴をみていきましょう。
PRETIGE PRO
新しいAuxetic構造でアップグレードしたPRESTIGE PRO TENNIS RACQUETは、絶対的な正確性を追求する上級プレイヤー向けです。
プレステージ – ツアー – テニス・ラケット – テニス – HEAD
前作のG360+PRESTIGE MPとまったく同じスペックになっています。
そのため、前作でMPを使っていた方は今作のPROを選べば買い替えがスムーズになると思います。
PRETIGE TOUR
新Auxetic構造で新しくなったPRESTIGE TOUR TENNIS RACQUETは、テクニカルなツアープレイヤーが最新の精度で競うことを可能にします。
プレステージ – ツアー – テニス・ラケット – テニス – HEAD
前作のG360+PRESTIGE PROとまったく同じスペックになっています。
そのため、PROからTOURに名称が変わっていますので混同しないよう気を付けてください。
PRETIGE MP
アップグレードしたPRESTIGE MP TENNIS RACQUETは、精度とコントロール性を求める攻撃的なゲーム展開を好むプレイヤーに最適です。
プレステージ – ツアー – テニス・ラケット – テニス – HEAD
前作のG360+PRESTIGE TOURをベースに、重さが+5g増加しています。
スペック的には、ラケットのアシストは最低限だと思いますので、自分の力でしっかりと振りぬいていける上級ストローカー向きのモデルですね。
PRETIGE L
正確性とパワーが結びついたPRESTIGE MP L TENNIS RACQUETは、意欲的なプレイヤーにふさわしいラケットです。
プレステージ – ツアー – テニス・ラケット – テニス – HEAD
前作PRESTIGE Sからの置き換わりになると思います。
Sは295g/325㎜でしたが、MP Lは300g/320㎜の黄金スペックと言われている扱いやすいスペックになっています。
数あるラケットの中でもトップクラスにハードなプレステージの入門向けという扱いな感じがしますね。
CPIとは
CPIとは、コントロール・パワー・インデックスの頭文字をとったHEAD独自の指標で、そのラケットがコントロール重視なのかパワー重視なのかを表しています。
今回のプレステージはどちらかというとコントロール重視のモデルということですね。HEADのラケット選びに迷ったときの指標となりますので、ぜひ覚えておきましょう。
- 数値は100~1000で表記(CPI200)
- 数値が小さいほどコントロール重視
- 数値が大きいほどパワー重視
最安値はこちらから
PRESTIGE PRO
PRESTIGE TOUR
PRESTIGE MP
PRESTIGE MP L
まとめ:PRESTIGE(プレステージ)2022年モデルの製品情報
- 新テクノロジー『オーセチック』で打感をマイルドに
- 前作からのモデル名とスペックの変更に注意
- 『完璧な精度』をコンセプトに、高い安定性が魅力
いかがでしたでしょうか。発売日は2021年11月4日だそうです。
HEADの新プレステージ、扱いは少し難しいですがカラツェフ選手のテニスを見ればわかるように、ストロークのパワーと安定感を支えているプレステージのスペックは非常に魅力的です。
そういえば、私が中学生まで教わっていたコーチがずっとプレステージを使っていましたね。そのコーチのラリーの安定感は目を見張るものがありました。
私自身も試打できたら情報をアップデートしたいと思います。ぜひみなさんも新プレステージを使いこなしてスクールや試合会場の注目をさらってみてください。
それではまた。
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